活躍する住民
ふたつの目線で見つめる芸西村のあした ~前編~ 芸西村役場 企画振興課 岡村さん 津野さん
芸西村役場の企画振興課で、ふるさと納税に携わっている岡村さんと津野さん。
芸西村出身の岡村さんと、県外での生活を経て芸西村へ移り住んだ津野さん、異なる2人の視点から
仕事への想いや、芸西村のこれからについて伺いました。

仕事を通して、芸西村の未来を考える
現在のお仕事について教えてください。
岡村さん
企画振興課で課長補佐を務めています。企業誘致や広域行政、ふるさと納税など、さまざまな業務に関わっています。担当者だけでは対応しきれない部分を補いながら、全体を見て動くことが多いですね。部署全体が円滑に進むよう、現場を支える役割を担っています。
津野さん
昨年度までは観光とふるさと納税を担当していましたが、今年度からはふるさと納税を中心に担当しています。イベントなど観光に関わる仕事に携わることもありますが、今は事業者の皆さんとのやり取りや返礼品に関する業務が主な仕事です。
お二人とも、公務員を目指していたのでしょうか
岡村さん
正直に言うと、公務員になる予定はまったくありませんでした。高校時代の担任の先生がきっかけで教師になりたいと思っていましたが、結局その道には進まず大学卒業後に役場へ入りました。
大学時代は、本当にめいっぱい遊びました(笑)。でも振り返ると、その時にさまざまな経験をしたことが今、生きているように思います。「こうあるべき」という考えに縛られず、自分で考えて行動する姿勢は、その頃に身についたのかもしれません。
津野さん
私は須崎市の出身で、県外の大学を出て愛媛県で働いていました。10年近く勤めましたが、「このままでいいのかな」という気持ちが少しずつ大きくなってきて、新しいことに挑戦したいと思うようになりました。それで次の仕事を決めないまま、高知へ戻りました。
若いころは、高知って何もない。外に出たい、と思っていましたが、戻って暮らしているうちに、「外へ出ていく必要はないかもしれない」と思うようになりました。
そんな時に芸西村の求人を見つけたんです。芸西村には来たこともあったので、挑戦してみようと思って
応募しました。
実際に暮らしてみて、印象は変わりましたか。
津野さん
大きく変わったというより、「思っていた通り住みやすい」という印象です。私はもともと自然の多い場所で育ったので、違和感もありませんでした。
今の企画振興課では村のイベントなどに関わる機会があり、「役場ってこんな仕事もしているんだ」と新しい発見も多くありました。そうした仕事に携われることが楽しいと感じています。

仕事をする上で、意識していることはありますか?
岡村さん
意識していることは、「やるんだったら、高知県一番になること」。今まで携わった仕事はほとんど県でも有名になりました。
最初に担当したのは下水道事業の供用開始。四国で初めての供用開始でしたが、目標の50%を3年で超えました。次の防災でも「西の中土佐。東の芸西」と言われるくらい結果を残しました。原動力は勝手な自分のプライドやね。一番じゃないとイヤなんです。
だから、ふるさと納税も同じです。携わる以上は本気で取り組みたい。その積み重ねが今につながっているのだと思います。
本気でってなると、すごく長時間働くんですか?
岡村さん
時間をかければいいとは思っていません。むしろ、どうやったら効率よく回せるかを考えています。
自分一人で抱え込むのではなく、誰に相談すれば動くのか、どんな仕組みにすれば次から楽になるのか。
最初は時間がかかっても、その後に同じ苦労をしなくて済むような仕組みをつくることを意識しています。 そうすることで組織全体の仕事を少しでもやりやすくすることにつながればと思っています。
津野さんは、実際、芸西村に来て働いてみてどうですか?
津野さん
村民の方と関わる機会がまだあまり多くないのですが、それでも事業者さんとかに名前を覚えていただいたり、外で会った時に話しかけてもらえたりしてお話できる機会も増えたので、それは楽しいです。そういう機会を増やして、もっと関わっていきたいです。
仕事のやりがいや喜びってどんなことですか?
岡村さん
やっぱり結果が出た時は一番うれしいです。やってきたことが間違いではなかったっていう再認識ができた。
私が関わってきたのは初めてのことばかりだったので誰かに教えてもらうことが無く、自分で考えて、自分で動いて、自分でしないと進まなかったので、そういうのが今のやりがいにつながっているのかもしれません。
これまでで、特に印象に残っている出来事やエピソードは?
津野さん
一番印象に残っているのは、楽天ふるさと納税のイベントに参加したことです。
ふるさと納税を担当して1年目で、知識もまだ十分ではない中で参加したので、最初は不安もありました。
でも、全国から集まった自治体の担当者の皆さんと直接話ができたことは、とても大きな経験になりました。
同じ仕事をしている方ばかりなので、「こんな時はどうしていますか」「この制度はどう対応していますか」といった情報交換もできましたし、自分たちだけでは気づかなかった考え方を知ることもできました。
今でも分からないことがあれば、その時に知り合った自治体の担当者へ相談したり、逆に連絡をいただいたりすることがあります。
自分だけだと視野が狭くなりがちですが、全国に相談できる仲間ができたことで仕事の幅も広がりました。
あのイベントは、自分にとって本当に大きな経験だったと思います。
岡村さん
最近、特に印象に残っているのは、クラウドファンディングを活用して「NAMI TERRACE GEISEI」ができたことですね。施設ができたことで、芸西村の観光面が少しずつ変わり始めたと感じています。
「NAMI TERRACE GEISEI」を含めた4つのヴィラが連携して、「ヴィラひがしこうち」という協議会もできました。一つの施設ができて終わりではなく、それをきっかけに地域全体で連携する動きが生まれてきたのは大きかったと思います。
これからは、そうした施設同士がつながって、観光ももっと広がっていくんじゃないかと期待しています。
今後は、それに合わせたイベントなども計画しています。

これからの芸西村には、どんな可能性があると思いますか?
岡村さん
津野さんにも話したことがありますが、これから人口減などで行政も厳しくなってくる。
そんな中でも一番でやっておけば、注目してもらえるし、『芸西村って面白いことをやっているね』と知ってもらえるきっかけになります。そうすると、人も集まるし、新しいチャンスが生まれる。
これからは、他自治体と同じことをするだけでは地域の発展は望めません。独自の強みを生かし、新しい挑戦を続ける姿勢が求められる。そういう時代の転換期じゃないかな。その次世代を担っていくのが津野さんだなと感じています。
【取材後記】
芸西村で育ち、長年地域を見つめてきた岡村さん。県外での経験を経て、外からの視点で芸西村と向き合う津野さん。取材前は対照的なお二人という印象でしたが、お話を伺ううちに、お互いの視点を認め合いながら芸西村の未来を考えていることが伝わってきました。
岡村さんが語る「一番を目指す」という言葉も、津野さんが話す「もっと関わっていきたい」という言葉も、その先にあるのは芸西村への思いでした。
後編では、お二人が携わっている「ふるさと納税」の仕事を通して見えてきた、芸西村のこれからについて
ご紹介します。